4コマ漫画エッセイ



わたくしの謎のぼうしの話はさておき、
チャックを「開ける」という行為が、
すっかりマイブームになっているちょーさん。

いや、
ブームというよりは、
目の前に閉まった状態のチャックがあるならば、
ほぼ反射的に開けてしまうのであります。
そして開いた状態のチャックならば、
わざわざ閉めてから、
即開けるのであります。

若干2歳のちょーさんにとって、
チャックの開け閉めの際に指にかかる感覚が、
なんだか新鮮で気持ちいいのはうなずけなくはありません。
でも、
なぜにわざわざ、
閉めなおしてまで「開ける」ことにこだわるのか。
こんなことを、
真剣に考える必要は毛ほどもないのですが、
(わたしのつむじの毛もないですけど)
ちょっとまじめに考えてみるとそれは、
「いないいないばあの追憶」
とも呼ぶべき思考回路が、
ちょーさんの頭の中でかけめぐっているのではないでしょうか。
(以下、どうでもよいことです)

それは、
「急に現れるもの」をおもしろいと感じてしまう赤ちゃんにとって、
ともすれば生まれたその日から、
大人たちの「急に現れる」という行為を繰り返し見せられて、
隠れているなにかしらは、
きっと急に現れるものなんだ
と、いわゆる刷り込みがなされていきます。
そのうちに、
自分でもカーテンやらに隠れたりして、
急に現れて自らの行為に大爆笑をするようになります。
そしてさらに、
「隠れているもの」や「閉じこめられているもの」
はどうしても見たくなって、
自分でそう認識できる場所は、
見境なしにあけるようになるのです!
ママスが年甲斐もなく隠れる風呂場ののれん、
さっきまでそこにいたパパスがしゃがんで見えなくなったキッチン、
電車でとなりになったおじさんが噛み終わって包んだガム、
(ほんとにやめて~!)
スーパーのレジのあととなりのおばさんが詰め終わった袋、
(きゃー!!)
などなど、
あげればきりがありません。

それらの行為はもはや、
おもしろいものを期待してというものではなく、
単純に、
「開けたい」
という気持ちだけなのです。
しかしやっぱり、
ちょっと何かを期待してしまう
「いないいないばあの追憶」が作用して、
待ち焦がれてはいないけども、
ちょっといぶかしげな顔になって、
開けられるものを、
ことごとく開けていくのでしょう。
その証拠に、
パパスの閉め終わったチャックを開けるときの顔は、
「どうでもいいけど、なにかでてくるかしら…」
という表情ですし、
開けて何もないときの顔は、
「ほら、なんにもない、でも気にしないわ」
という表情なのです。
そして、
パパスが上着の中に頭をすっぽり入れて、
チャックを開けた時にはげでひげが現れた時の顔は、
「あら!そこにいたのかよ!たまらんわ~」
という喜びに満ちた表情になるのです。

一時のにぎやかさの盛りをすぎた、
ちょーさんにとってのいないいないばあ。
それは今、
かすかな追憶となって、
隠れているものを探し求める時の、
すこしおマセな表情に、
しっかりと表れているのでしょう。
でもちょーさん、
パパスのチャックを開けないでっ!
(ほんとにどうでもいい話だな。。)


追伸
あったかそうなわたくしのぼうしは、
「チャプカ」というロシアなどの寒い国の防寒具です。
寒さが大の苦手なわたくしは、
ついに北の大地のアイテムを手に入れたのです!
ふっふっふ。
ちなみにvol.085で、
ちょーさんにも寒冷蕁麻疹が出たと書きましたが、
パパスのようにいかにもというできものではなく、
ちょっとほほが赤くなる程度なので、
赤ちゃんだし、
ただ赤くなっているだけなのかもしれません。
今シーズンも、
いかにもというものはまだ見ていません。
願わくば、
ちょーさんが寒冷蕁麻疹じゃありませんように。。

(2012.11.21 UP)

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