4コマ漫画エッセイ


昼間はまだまだ残暑がきびしい近頃ですが、
朝晩はすっかり過ごしやすくなり、
セミの鳴き声もあまり聞こえなくなりました。
そんな秋の入り口で、
ちょーさんはセミの抜け殻に夢中です。
もう季節もおわりなのに。
成虫も息たえだえなのに。
ちょーさんのセミへの好奇心は、
まだ始まったばかりでなおかつ、
はやくも最高潮のようです。

わが家は団地のなかにあり、
団地のなかには公園がたくさんあって、
木々もうっそうと茂っているので、
散歩にはもってこいです。
その道中、
ちょーさんは抜け殻を見つけては、
「はやく入れ物をよこせ」
と言わんばかりに、
パパスの帽子へ抜け殻をあつめてゆきます。
そんなに帽子にものを入れたら被れないのに。
帽子をかぶれなかったら、あらわになってしまうのに。
おっと!
話が脱線しそうになりましたが、
セミの抜け殻がそこかしこにとまっている一方で、
地面には生涯をおえたセミの成虫のなきがらが、
あちらこちらに散らばっています。

ちょーさんはもちろんそれらにも興味を示し、
見つけては触ろうとするのですが、
決まってアリがよってきていて、
きっとキレイではないでしょうから、
わたくしはこう言います。
「ちょーさん!それ死んでるからやめて~」
そうなんです。
このセリフを何度も聞いたちょーさんは、
赤ちゃんには似つかわしくない、
「死んでる」
という言葉を、覚えたのです。
死んでるということの意味は、
ちょーさんにはもちろん、
わたくしにもよくわからない気がするのですが、
新しい表現を得たちょーさんは、
まるで水を得たサカナのように、
怒涛のようにそれを連呼するのです。
「とっちゃん、ちんでるの?」
おーい!まだちとはやいわっ!
「しゅっぽっぽ、ちんでるの?」
停まってるだけです~。生きてもないけどね~。
「とりさん、ちんでるの?」
生きてます!生きてるから飛んでるのです!
という具合に、
何にでも生死を問うてしまうちょーさん。

しかーし!
セミの抜け殻のときは、
困りました。

へへっ、そりゃあ、抜け殻だぜ?
質問が成り立ってねえじゃねえか。
あいつらは人生の花を咲かせに、
古い殻を捨てて飛びたったんだ。
あと数週間のいのちだと、
知ってか知らずかな・・・。

というように、
かっこいいはげでひげになりきって答えることもできるのですが、
(なにそれ!)
わたくしパパスやママスさんの、
肯定か否定の言葉こそのみを、
きわめて確かに理解できるちょーさんにとって、
あまりフクザツな表現は到底わからないでしょうから、
シンプルに、
死んでるか、死んでいないかで、
答えてあげようと思ったのです。
でも!
どっちとも言えないではありませんか!
死んではいないけれども、
生きてもいないのです。だって、抜け殻なんですもの!

答えに困ったわたくしは、
「シンプルさ」だけは逃すまいと、
とっさに言ったのです。
「抜けてる!」と。
セミの抜け殻は、
抜けてるんです!だって、抜け殻なんですものー!

殻を脱ぎ捨て、
可憐な姿で短命へぶつかっていくセミたち。
でも仮に、
わたくしが殻を脱いだらつむじがもとに戻るのだとしても、
引き換えに命が縮まるのならば、
つむじなんてどうだってよいです!
ちょーさんといっしょの時間を、
てんびんにかけることなど出来るものですか。
つむじなんて、くそくらえ!

・・・・・。

いや、、、
くそは・・・よくない。
きっと毛根に・・・よくない。

セミたちの潔い命のおわりの風景とは対照的に、
命ばかりか、
つむじからも逃れられない、
ちっぽけなわたくしを見たのでした。
ちょーさん満2歳、夏が終わろうとしています。

(2012.09.19 UP)

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